TMU Social Anthropology
研究 教育 大学院入試 社会人類学年報
  • Japanese
  • English

受験生へのメッセージ

□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
博士前期(修士)課程、の新入生に合格体験談を執筆してもらいました。
2017年度は博士前期課程4人、後期課程1人の新入生が在学しています。
それぞれ、学内進学、学外進学、学外進学(留学生)の立場から、
志望動機、受験勉強、進学を考える方へのアドバイスを書いてもらいます。
学外進学、学外進学(留学生)は、順次追加していきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■□■
山岸 哲也(学内進学:2017年度入学)
 

1.志望動機

私が人類学に初めて触れたのは、大学浪人時代に読んだ、レヴィ=ストロースの『野生の思考』です。もちろん当時は何を言っているのかさっぱりわからず、ただ「よくわからないけれど面白い」という印象をもっただけでした。首都大学東京に入学後、人類学の授業で再び『野生の思考』に出会い、先生方にご助力いただきながら、「人類学の古典」と呼ばれているような他の著作も読み進め、人類学への関心を強めていきました。大学院への進学は、学部1年の頃にはすでに決めていたと記憶しています。

そんな中、進学志望を一層強くしたのが、授業で参加した佐渡島でのフィールドワークの経験です。その延長で、他大学の先生方や学生、さらに佐渡島の人々とかかわっていくうちに、卒業論文のテーマとなる「宗教的なもの」に興味を持ちました。また、私が何よりも影響されたのは、佐渡島の人々の「言葉」でした。それは、卒論調査という域をはるかに超え、「私」という存在そのものに訴えてくるほどの力をもっており、様々なことを考えさせられました。その経験は、現在の私にとってかけがえのないものとなっています。そのため、――すでに誰かが言っているかもしれませんが――私にとっての人類学とは、「『自分』がもっている固定観念を見直す経験を与えてくれるショッキングな学問」です。そしてそれは、自分を際限なく更新させてくれるものでもあると考えています。

2.勉強方法

 勉強方法に関しては、あまり器用でない者のアドバイスと思ってください。

 まず、過去問を解いてみるのが先決です。それで自分の実力を把握したうえで、勉強を始めるのがいいでしょう。どのような試験でも、その結果がどうであれ、自分の現在位置を自覚し、何が必要なのかを理解することが先決です。

 入試には、人類学の基礎知識を問うものと、英語力を問うものがあります。実際のテストでの比重は、前者1:後者2なので、英語が「読める」さらに、「書ける」といいです。私は、Kinship and Marriage: An Anthropological Perspective( Robin Fox 1984)を自分なりに和訳し、その対訳である『親族と婚姻――社会人類学入門』(川中健二訳、思索社、1977)の文章と照らし合わせるという方法を取りました。さらにその逆に、日本語訳を英語にして、原著と比べるということもしました。しかし、この方法は、自分の答えの完成度を客観的に知ることができないという問題点もあります。また、人類学の単語は、特殊な訳が当てられているものも多いため、『文化人類学事典』(文化人類学会編、丸善、2009)の最後にある索引を参考に、自分で単語帳を作りました。

 基礎知識は、「どれが出るかわからないならば、全て覚えてしまえばいい」という精神で、『よくわかる文化人類学』(綾部恒雄・桑山敬己編、ミネルヴァ書房、2010)『文化人類学キーワード』(山下晋司・船曳建夫編、有斐閣、2008)『文化人類学20の理論』(綾部恒雄編、弘文堂、2006) 『文化人類学最新熟語100』(綾部恒雄編、弘文堂、2002)を何度も読み込みながら覚え、 『文化人類学文献事典』(小松和彦他編、弘文堂、2004)に載っている様々な争点も参照しました。それと並行して、自分の興味のある分野の著作や論文も、なるべく広く読むようにしました。余談ですが、佐渡島での卒論フィールドワークと同時並行だったので、佐渡の子どもたちがそばで走り回っているなかで勉強・出願をしました。ニックネームもつけられ、否応なしに遊びに巻き込まれながらでしたが、子どもたちのおかげでいい気分転換となっていました。

3.アドバイス

 学内進学した立場から言えば、首都大では多くの人類学の授業が開講されているので、それを通じて、少しでも人類学に触れる機会をもつといいと思います。また、疑問があれば、遠慮なく聞くことが大切です。先生方をはじめ、先輩とのかかわりのなかで新たな発見があることも多いです。そのような場としても、研究会は絶好だと思います。少しでも興味があれば、ぜひ足を運んでみてください。

 
Contents